肝斑とは両頬、額、下顎、上口唇(鼻の下)に左右対称に出るシミです。肝斑(かんぱん)は、薄いものを含めた場合、特に30代~40代以降の女性の約半数近い方に見られるごく身近なシミです。シミ取りを考える人の約40%の方にこの「肝斑」があるといわれています。肝斑は紫外線も強い発症要因になりますが、更年期やピル内服中などに出現したり、妊娠・出産時期に出現したまま改善しないこともあることから、女性ホルモンが関与していると思われますが、はっきりとした原因が特定されていないシミです。

ですから完治はありませんが、肌質を変化させて色を薄くしたのち、色の薄い状態を維持することは可能です。肝斑発生時は何となく頬がくすんだ感じがする程度ですが、放っておくとしだいに肝斑の範囲が広がります。いずれ、頑固なシミとなりますので早めのケアが必要なのです。

クリニックでは内服剤と外用剤による治療を行います。トラネキサム酸の内服に加え、ビタミンC誘導体外用、ハイドロキノン外用、あるいはトレチノインとハイドロキノン併用外用療法を行います。

1)ビタミンC誘導体外用

最も手軽な治療法で、1日2回程度肝斑に外用するだけです。ビタミンC誘導体は皮膚に浸透し、活性型ビタミンCに変わって、メラニン細胞の過剰なメラニン生産を減らします。この作用により肝斑を薄くすることができます。外用を中止すると次第に肝斑は元に戻ります。皮膚への浸透を促進させるのにイオン導入をおこなうとより効果的です。また、ビタミンC誘導体はこれ以外に①毛穴の開き、②ニキビ、③小じわ、④肌のキメなどの改善が期待できます。

2)トラネキサム酸の内服

肌へのダメージを残さないというような働きをする成分です。例えば、ケガの跡などがシミになることを『炎症後色素沈着』というのですが、『トラネキサム酸』の飲み薬は、そういった跡をシミさせないために処方するお薬です。肝斑でいうと、肝斑を悪化させる紫外線などによるダメージを残さないようにするといったイメージで良いと思います。

3)ハイドロキノンクリーム

シミに効果のある美白剤。「肌の漂白剤」とも呼ばれ、強力な漂白作用のある塗り薬。メラニン色素を合成する酵素であるチロシナーゼの働きを弱め、さらにメラニン色素を作る細胞(メラノサイト)の数を少なくする作用があります。シミを薄くし、さらに予防する働きがあり、その美白効果は、アルブチンやコウジ酸の約10~100倍と言われています。